禿恐怖

 禿恐怖というのがある。高校時代、東西線車内で村上春樹の「日出る国の工場」を読んで、その恐怖に拍車がかかる。要するに、禿そのものへの恐怖ではなく、父親が禿げている人の9割が抱くであろう恐怖なのだが、その恐怖が、生活習慣だけでなく、内面規制にまで影響を与えてしまうところが問題なのだ。