働きマン2

 1巻は買ってないです。雑誌連載時に全部立ち読みしてしまったから。今思うと、たいへんもったいないことをした。で、今回の分はほとんどが初見だったので、うん、ふつうに楽しむことができましたよ。マンガの楽しみって、やっぱり絵に負うところが大きいなあと改めて思った。いいっすねえ。安野モヨコの絵(しみじみ)。
 にしても、連載時当初も思ったこのなのだけれど、このマンガって、観賞用の男があまり出て来ませんね。主人公、松方弘子の恋人は、一応ルックス的にはそれ用だとは思うけれど、今回の巻では出番なかったし。ここに、安野モヨコ(もしくは「モーニング」編集部)の、日本の男に対する見方が透けて見える……。見方というか、偏見というか。ふつうに出しちゃえばいいのに、と私なんかは無防備に思う。そのわりに、女子の描き方はかなりにスタンダードを踏襲しているのに。まさか、美男子を出したら、読者が嫉妬するとでも思っているのかな。まあ、そうした自身のセールスポイント(だよね?)に頼らないというのも、この「働きマン」を構成する要素のひとつに確実になっているのだけれど。
 あと、これは余談だけれど、このマンガの登場人物名も、もしかすると考慮に値するかも。つらつらと並べてみるに、松方弘子、梅宮龍彦、堂島保、千葉真、夏目美芳、三村泰之、野島貴史……。あ、ごめん。別に何らかのテーマに乗っ取ったネーミングじゃなかったようだ。最初の2名で勘違いした。(「ラブ・マスターX」の主人公も野沢ナオだったしね。)