擬似というか何というか

そういえば2000年刊の『裏ヴァージョン』にこんな文章がありましたね。上の「擬似恋愛感情」とちょっとダブる。引用してみます。

まだ本格的な構想を練ってはいないが、三人の仲のよい女子高生がいる。本人たちが初めからそんなふうに意識していたのではなく、まわりの同級生たちが「あの三人はパパとママと王子様だ」と言うので、三人も何となく自分たちをそのイメージで捉えるようになる。〈王子様〉と見做される少女は、父親を亡くしていて看護婦の母親と二人暮らし、夜勤のある母親とは毎日顔を合わせるわけではない、という孤児に近い境遇である。〈パパ〉といわれる少女と〈ママ〉といわれる少女は、保護本能の強い性質であり〈王子様〉を可愛がったり時には体罰を加えたりしてかまうことに学校生活の楽しみを見出している。そうした行動の中に思春期の性衝動が紛れ込んでくると、〈パパ〉と〈王子様〉の間で一種の性的な行為が交わされそうになる、つまり近親姦が起こり、〈ママ〉はそれを薄々知りながらも嫉妬を露わにすることもできず、自分が〈パパ〉と性行為をする気にもならず、悶々とする。他にもいろいろあって、仮想の家庭はどんどん狂って行く。

仮想の家庭。近親姦。ん。ん。ん。これもまたうまく言えないのだけれど「少女マンガ」っぽい雰囲気っすね。そしてその(想像上の)「少女マンガ」的要素に強く惹かれる自分がいます。何なんだろうこれ?