本当はちがうんだ日記

穂村弘のエッセイ集。たとえ短歌じゃなくっても、このキュートさは希少っすね。
12月、ひとりぼんやりと「今年のクリスマスはどうしよう」と考えていた氏も、無事、結婚相手と古本屋散策を楽しめるようになったみたいで、まずはめでたいです。けれども、それ以前に、彼の古本屋散策への愛情が、なんだかこちらにはあまりに崇高に見え、眩しすぎて目を細めてしまいます。

 新しいタイプの古本屋は、比較的夜遅くまでやっていることが多いのもありがたい。週末に神保町のニュータイプの何軒かを回って、仕上げに西荻窪の夜中までやっている古本屋で変なBGMを聞きながら、本や絵はがきを眺めていると、いつまでもいつまでもこうしていたい、と涙ぐむような気持ちが湧いてくる。(P.135)

いつまでもいつまでもこうしていたい、か。青春ゾンビ? いえいえ、真性の「青春まっただ中」じゃないかと、多分にうらやましくなりますね。