心配したいよ

大統領の最後の恋」に、以下のようなセリフがあってね。

「たとえば戯曲では、もしも第一幕で壁に猟銃が掛かっていたら、最終幕では必ずそれが発砲されるものでしょう? それと同じですよ。何も心配はいりません」(625)

 個人的には、そうした猟銃が、最後まで発砲されないような劇が(というかフィクションが)好みだったりもするんだなー。つじつまの合わなさがあっても、ぜんぜんかまわずに好きになれるようなふしぎな劇が。ぼくにいわせると、それこそが究極のラブだよ。だって、理屈じゃないからねー。(ただのハチャメチャじゃだめだよ。もちろん。)と、ここで名を出すのはやや気が引けるが、今読んでる安部公房の「カンガルー・ノート」が、割にこの、「最後まで猟銃が発砲されない」ような劇っぽくて。
 よいよい。ベリーキュートだ。