火星の人類学者

ISBN:415050251X
 正月に読んだ「考える人」で、養老孟司が勧めてたので手に取ってみた次第(id:Tomorou:20040101#1072958111)。これは、かなり、キてたなあ。“なるほど”の面白さでした。要するに「病気」の人たちとの交流を描いてるんだけど、うーむ、とにかくイヤな感じがしなかった。哀しさはあったけど(「考える人」でも関川夏央が「哀しい面白さ」なんて言っている)。例えばグレッグという男性。長年好きだったロックバンドのコンサートに行った翌日、そのことをきれいさっぱり忘れてるんだよ。でも彼はニコニコしてて、まるで悟りきったような表情をしている。・・・もう、ちょっと、まいったなあ。確かにこれは「哀しさ」だけじゃなくて、なんつーか・・・・・・広いっすね、人間て。(でも、ほんと、“こんな”もんじゃないすよ。)