忘れられる過去

ISBN:4622070537
 私的2003年ベスト、伊井直行「お母さんの恋人」評が載ってます。

 磯谷、大島、「お母さん」、そして「わたし」は通俗的なレベルとは異なるものでつながりもするので美しすぎると思われるかもしれない。でも読んでいくと、こんなこともあるかもしれないと思うようになるのだ。そんな夢のような空気のなかを回りながら、この小説はかたちづくられる。

 難しいすよね。あの小説の解説を書くのは。でもここで荒川洋治はかなりていねいに言葉を紡いでくれて、読んでるこっちは「ああ・・・」としあわせな気分に浸れたのでした。