畑正高「香三才」*3

 銀座「香十」の入っているビルには「ブックファースト」も入っていて、そこで見つけたのがこの本。けっこう店頭の目立つ場所に置かれていた。やはり 「香十」帰りに買う人がいるのだろうな。他の書店でも見かけたことはあるのだけれど、とてもここでのような特別待遇は受けていなかった。
 ぱらぱらとめくる。著者の畑正高さんは松榮堂の取締役社長。えーと、香りのことを主に扱っている会社なのかな。文章、うまいです。すらすら読める。ふつうの社長さんなのにねえ。と途中まで感心していたのだけれど、だんだん題材に興味がなくなってきて、ドロップアウト。源氏とか出ていた頃はめちゃくちゃ(でもないかな)面白かったんだけどな。日本史の複雑な単語が出てくるととたんに萎えるという悪い性癖を持ってるのだ、俺は。
 あ、でも約半分を占めるコラムには全編目を通した。社長さん、犬好きらしい。ちょっとポイントアップ。繰り返される主張は、要するに「伝統にもう少し目を向けましょう」。ふーんと思いつつ本を閉じる。