舞城王太郎「みんな元気。」

みんな元気。
 うまいなあ。言葉づかいが。まあ好みはあると思うけれど、それでも「やめれ」とか「キヒャーッ」なんて語を巧みに使いこなしているのを見ると、自分の中の言語規制ってのがたまらなく稚拙に思えてくる。やはり才能なのかな。かっこいいもんなあ、文体が。読んでてすごく気持ち良い。その上内容もおもしろいし。同時代に生きているよろこびを存分に味わえる。題名を見るだけでも、現在の舞城王太郎がノリノリだということが伝わってくるよ。表題作他に「Dead of Good」「我が家のトトロ」「矢を止める五羽の梔鳥」「スクールアタック・シンドローム」。春樹、プラトン北朝鮮(これは誤読?)がごちゃ混ぜに入ってて、テーマは家族で、はいリーチ。これでほぼ同い年なんだものな。すごいもんだなあ。