斎藤美奈子「物は言いよう」

物は言いよう
 横文字には疎いのでもしかすると用法が間違っているかもしれないけれど、要するに、ジェンダーフリーを提唱している本なのかな。男は男らしく、女は女らしく、という既存の思想に反対する本。いや、別に、ものすごく猛々しく主張しているってわけじゃないのだけれど。念の為、ジェンダーレスではないよ。あくまで「ジェンダーフリー」。
 政治家の言説にはあまり興味が湧かない。そこらへんをチェックする人材には事欠かないと思っているので。むしろ、村上春樹池澤夏樹が繰り出す「ちょっとやばい言説」に、「へぇ〜」と、鱗が落ちるというか、そういう見方もあるんだ、という刺激を与えられます。池澤夏樹斎藤美奈子の「文章読本さん江」で書かれた文章をちらりと皮肉っていたものね。文春で。その意趣返しかと、ちょっとはらはらしてみたり。