2007-01-01から1年間の記事一覧

「楽しみと日々」読了

金井久美子&美恵子姉妹による食と映画へのオマージュとでも言うべき一冊。あ、「食」にオマージュはおかしい? それでも、たとえば(長いけど)、 すぐに食べられないだけに、アップル・パイのイメージが、幾重にも薄く重なってふくらんでいるパイ皮のよう…

ちょっと親戚に不幸があったのだけれど

電車の中で揺られながら、ひさしぶりに会ういとこたちに言う文章を考える。「まあ・急なことで・なんなのだけれど・あまり気を落とさないように……。」なにを言っても、どうしても、嘘っぽくなってしまう(つまりは定型に沿ってしまう)のは、まあ仕方がない…

「二十世紀」読了

ときおりNHKで鳩山一郎とか吉田茂とか岸信介とか寺山修司とか、まあそうした「歴史上の人物」が映ると、へーっと食い入るようにして見つめるようになりました。橋本治「二十世紀」の影響ですね。読み終わりましたよ、先週のすえに何とか。2ヶ月かかった……。…

官能小説の電話サービス

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200705090010.html ウィーンにて。今月末までだそうです。「図書館の施設拡張費をまかなうため」ってのがいいですね。(中上健次の「讃歌」とかならちょっとぼくも聞いてみたいな。)

「同日同刻」読了

開戦時と終戦時、当時の人びとがなにを思っていたのかを探るにはとてもいい資料なのではないでしょうか。とくにぼくのような、歴史初心者にとっては。山田風太郎著。(著というか編。)金井美恵子は、8月と12月にときおりこの本を読み返すそうだよ。果たして…

ややおそい連想

高橋由美子が大々的に売りに出し始めた頃には、どうしてもぼくなんかは、その名前のひびきから「高橋留美子」を連想してしまいがちだったのだけれど、今度テレビ朝日で放送される高橋留美子原作「めぞん一刻」において、いささか突飛とも思える<六本木朱美…

あまりにも酷な設定なので、読んでいて苦しかった、か。

先頃出た桐野夏生の新刊「メタボラ」の主人公のひとりはゲイなんだそうで。「一冊の本」で知りました。何やら、ずいぶんとまた濃そうなフィクション……。以下、斎藤環による桐野夏生へのインタビューより抜粋。 斎藤 主人子をゲイに設定されたのも、何かきっ…

「装丁物語」/「似顔絵物語」

オレって凄いでしょ? みたいな人の毒気にあてられた後で、和田誠の「装丁物語」そして「似顔絵物語」を読むと、そのあまりのまともさにほっとせざるを得ません。あー、やっぱいいなあ、和田誠は。一服の清涼剤――平野レミが惚れ込むのもわかります。って、よ…

やや時季はずれな所感

争いの出来事を思い起こして描かれる文章を読むと、どうしても、ある種の強い感情を喚起されがちになります。まあそれは、仕方がないといえば仕方がないです。むしろ、感情が湧かない方が不思議ではあります。(ここには、「不慣れ」という要素も関係してき…

肩甲骨

「姿勢をよくする」というのを、「背筋を伸ばす」より、「肩甲骨と肩甲骨を寄せる」との指示に沿った方が、何となくピンとくるようになりつつある今日この頃であります。コナミのせい(?)ですね。というわけで、今も、比較的、いいんじゃないかなあ……と思…

新潮文庫の多和田葉子

……ときに、どうして新潮文庫から多和田葉子の本って出ないんですかね? 謎だ。「ヒナギクのお茶の場合」とか「球形時間」とか、個人的には背表紙はオレンジ色がいいなと何となく思っているのだけれど、まあそれはともかく、実に不思議です。何か、ポリシーあ…

「カタコトのうわごと」新装版

んん。週末に、丸善本店ふきんをほっつき歩いていたのだけれど、金井美恵子の「楽しみと日々」は入手できませんでしたよ。かなしいな。かわりに――といったら何だけれど――多和田葉子の「カタコトのうわごと」新装版が並んでいたので、よろこんでカゴに入れて…

鼻うがいを断念する

真面目に続けていれば、来年の春は、もしかすると快適に過ごせたのかも知れません。だけれども、実生活で、鼻づまりが治ってくると、どうにも、さぼりがちになってしまいます。そして、そのまま、フェイドアウト……。すみません。実験者として、やくたたずで…

気がつくと、地上波で「デスパレートな妻たち」がいつの間にか始まっていた

ああ。見ましたよ。正真正銘のパート1。今年に入って、パート2の後半から見始めていたので、そのラストがいまいちしっくりこなかったのが、このパート1の初回を見て、ようやくすっきりしました。なるほどー。顔からすると地味なのに、あの配管工のマイク…

元凶としての山県有朋

橋本治「二十世紀」を、ようやく「1945年」まで読み終えました。ふう。つかれた……。というのは、ひとえにこちらの基礎知識に不備によるもので、けっして本書に責があるわけではありません。はい。読みやすいことは、例によって、読みやすいです。読みやすい…

叱咤文

「橋本治という行き方」より。 べつにスポーツには限らなくて、なんでもそうだけど、「自分のやっていること」は、あんまりたいしたことじゃない。「たいしたこと」というのは、「自分のやるべきこと」だ。「自分のやっていること」の向こうに、「自分のやる…

「SONGS」初回を見たよ

出てましたね。竹内まりや。昨日のNHKに。今回のアルバムは、そうとう力入れて売ろうとしてるということなのでしょうか? 番組自体への感想は特にないけれど(でも、NHKでなければ成り立たなそうな雰囲気ではありましたね)、たぶん、買う……ことになるんじゃ…

発見

大江健三郎の「宙返り」に、自分の足の爪の形に、半世紀以上経ってようやく気がついた男の記載があるのだけれど(それはつまるところ、本人の病気や恋人との関係が大きく影響しているらしいのだけれど)、ぼくもこの間、自分の身体で、33年間気がつかなかっ…

リニア文

川上弘美による、吉田修一「悪人」評。 http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20070409bk0a.htm こうした、ある一定量を超えた改行なしの文章には、きちんとそれ専用の名前をつけてもいいような気がします。音楽用語みたいにさ。ってよく知らないんだけれど…

「目白雑録」文庫版

むかし読んだ本とは言っても、出てくる固有名詞(特に横文字)については相も変わらず不案内だから、やっぱり楽しんで読むことができますね。金井美恵子の「目白雑録」。装いも新たに(←定番フレーズ)文庫版で登場。単行本も持っているのだけれど、そして、…

鼻うがい継続中

効いているのかなあ……。わかりません。正直に告白します。薬も相変わらず併用してます。ただ、生理食塩水(略して「せいしょく」)を手早く作る技術だけはこの数週間で格段にアップしましたね。

「黒い眼のオペラ」

ある意味、谷崎「陰翳礼賛」よりずっと「陰翳礼賛」な世界ですねえ。舞台マレーシアだけど。道で行き倒れた男を介抱していく内に、あれれれれ……とその男の魅力にすっぽりと嵌って抜けられなくなる男のエピソードというのは、やっぱり蛍光灯の明かりがそこか…

春の夜人体模型が歩きさう

――川上弘美の句ですね。とくに今年の春はそうした者が闊歩しそうな予感が濃厚にしています。

まだ桜には早いみたいだ

上野にちょこっと行ってきました。まだ桜には早いみたいです。んー5分咲きといった程度か。ほんとうは、国立博物館で行われている「ダヴィンチ展」を見ようかと思っていたのですが、あまりの人だかりに入場を断念しました。せざるをえませんでした。すごい…

らいてうさん

あ、そうなんだ。と、橋本治「二十世紀」を読みながら感心したのは、「平塚らいてう」の読みに関することです。平塚らいてう、と書いて、ひらつからいちょう、と読むんだ。そうか。そうか。そうなんだ。いや、この人の名は活字でしか見たことがなかったので…

現在の読書状況

「二十世紀」「双調平家物語10」「雨の温州蜜柑姫」。橋本治トリプル状態。 「そうか、ちょっとずつ自分を作っていってもいいんだ。人と話をするということは、“私はこういう人間でありたい”というアピールをして行くことで、アピールした分だけそういう人間…

鼻うがいを練習している

山下達郎リコメンド、であります。鼻うがい、やっております。先週の日曜から。うがーと声を出しながら、鼻に入れた塩水を口から出すという、わかる人にはわかる、「鼻から豆乳」の逆バージョンで。――いやー、もうこれをやってから体調がよくてよくて、と、…

デスパレート2が終わったけれど

今年に入ってから、つまりは、開始時間が夜の11時になってから「デスパレートな妻たち2」をわりとしんけんに見始めていたのだけれど――そうです、昨日が最終回だったのです――、あららー、どんな大団円が待ち受けているのかと本当に心底熱烈に楽しみにしてい…

唐突

なんだか今月は新聞の死亡欄を見て「えっ」と声を上げることが多いです。3月3日に続き、今日で2回目……。1回でもじゅうぶん多いくらいだ。

「松ヶ根乱射事件」

ほう。僕も「乱射」をしてみたい――なんて、月並みなことは言いません。つい言いそうにはなるけれど。それよりも、何よりも、この映画の眼目は、やっぱりこのタイトルでしょう。「松ヶ根乱射事件」。漢字7つにひとめ惚れ、です。駄目な親父に駄目な兄貴。そ…