2005-01-01から1年間の記事一覧

スクラップ・ギャラリー

金井美恵子の最新刊。マティス、ルソーにルノワール等の絵を題材にしたエッセイ集です。題材、といっても、横に縦に斜めに、話題は広がっていくのですが。これがおもしろかったから、上の小説(2000年刊)にも手を出したというわけで。はい。 ああ、でも、こ…

彼女(たち)に関する私の知っている二、三の事柄

ふう。ひさびさです。小説を読んで徹夜したのなんて。いやー、おもしろすぎるなあ金井美恵子の文章は。単なる30歳女子無職(いちおう塾講師のバイトをやっている)恋人なし目黒在住の淡々とした生活を描いているだけ、とも取れるわけだけれど、えーと、これ…

青木淳悟(あおきじゅんご)さん

へー、なんかこの写真だけ見ると、ミスチルの桜井氏に似てますね。(主観です。怒らないで。)ああ、保坂和志や島田雅彦、高橋源一郎がプッシュしているのか。なるほどなあ……。そういえば、この記事を読んだとき、保坂氏の「ピンチョンが現れた!」というキ…

野間文芸新人賞決まる

青木淳悟氏(26)の『四十日と四十夜のメルヘン』。出版社は……えーと、新潮社です! よかったね、笙野頼子。ちゃんと、新選考委員は、講談社の商業主義に染まることなく仕事をまっとうしたみたい……と思ったら、あら、青木氏の後に、平田俊子氏(50)の『二人…

麦わらドリル

デビュー作「Eの食卓」をも収録する、原・のらみみ・一雄の短編集。投稿用に描かれたという「デュアル」に、もうメロメロっす。栴檀は双葉よし芳しってやつ? ちょっと意味違うか。けど、センスが、めちゃくちゃいいんだよなあ。もしも、「百円日記」(川上…

あたしンち(11)

11巻目にして、はじめて買いました。初出が、そうか、2001年4月から11月……。もう4年も前の話なんですね。なつかしー。というか、半数以上忘れてる。だけれども、いちど掲載当事に読んでいることは確実なのだから、角田光代が言うような「『あたしンち』は…

かわーいいなー

いつも書店で見るたびに「かわ−いいなー」と思う本。手に取ることもたびたびです。でも、買いません。つーか、買えません。買っても、実用書として利用できないことが目に見えているから。ただ、ときどき書店で、「ああ、今日もあるな」といった感じでほっと…

最後の文士・中原昌也君へ

「一冊の本」で、金井美恵子がさんざいじり倒していた島田雅彦の文章は、ちゃんとWeb上で読めるのでした。ふーん。金井美恵子、わざわざ連載の大事なスペースを割いて、全文を引用しているのにね。で、この島田文章にインスパイアされて書かれたという、阿部…

ロングスリーパー

山田詠美は、毎日10時間以上眠るんだって。まあ、これもまた「作家の(私はふつうの人とは違う)自己申告」なのかもしれないけれど、ちょっと、影響受けたかなあ。この5日ばかり、眠りまくりましたよ。毎日……まあ、9時間ほど。(仮眠含む。)ええと、確…

ぼぎちん バブル純愛物語

こんなこと白状するのはものすごく恥ずかしいのだけれど、買ったことあります、福田和也の『作家の値うち』……。で、その本の中でずいぶんとこの小説、褒められていなかったっけ? 記憶違いかな? いや、そのあまりの熱の入れぶりに読んでみようと当時思った…

ファッション ファッショ マインド編

山田詠美とピーコの「Style」掲載対談集第2弾。ていうか、今回が最終回。例によって、山田詠美の箴言力は絶好調であります。(まんまじゃないけど)「才能のある人が崩れるのが退廃、才能のない人が崩れるのが堕落」とか「流行は、それを知らずに取り入れな…

西原理恵子よりすごい……。

にしても、このふたり(高橋・山田)はよくエドモントを利用しているなあ。相場からすると、意外に安くておいしいらしい。中学生の修学旅行にもよく利用されているしね。穴場かな。(何の?)

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

どうでしょう? 気付きましたか? 「某村さん」の正体は? まあ、この本を読むくらいの川上弘美好きのひとにはお見通しだったのかもしれないけれど、わたしはまったく気が付かなかった。だって、なんだか、この文章を読んでいると、とてつもなくダンディな像…

オール讀物 顔面「総選挙2005」

うーむ。このネーミングにこそ、文藝春秋のプライドが詰まっているとでも言うべき気合の入れようです。つーか、このネーミングに表れているように、出てくる物件、全員政治家。さつきだとか、しずかだとか、たいぞうだとか。まあ、そりゃそうか。彼ら彼女ら…

ワールドサッカーキング

サッカーに関してはまるで無知。つーか、皆で騒ぐのを何かと苦手としているので、あまりそっち関係には近寄らぬようにしていたのだけれど、金井美恵子が愛読してやまないという『ワールドサッカーキング』は、正直、おもしろく読めました。今号の特集が「注…

noma

id:cachamaiさん(『daydreambeliever』)の「野間文芸新人賞問題まとめ」に、先日書いた町田康関連の文章が取り上げられていました。どーもです。下のコメントには、「はげしく同意」する次第であります。 もしかすると、新・旧選考委員で、交流がある方々…

覚えがないのにクラミジア

ははー。こういうこともあるのですね。なんだかドラマにでも出てきそうな話だ。 専門医によると、夫がほかの病気の治療で抗生物質を飲み、治った可能性などが考えられるということです。 ――だとすると、妻は「災厄」以外のなんでもないよなあ。かわいそうに…

座談会 作家の条件

山田詠美、町田康と新・旧選考委員がそろっているにもかかわらず、結局あの件については触れられていないのでした。ちょっと「出てくるかな」と期待しないでもなかったのだが。(もしかすると、座談会内では「出ていた」のかもしれないけれど、少なくとも紙…

郷ひろみ50歳誕生日

結婚は24時間の仕事だけど、僕は23時間55分が郷ひろみだから。 何の他意もなく、「名ゼリフだ!」と感嘆しました。(意味はわからないが。)

町田康:初期の作を翻訳したいという外国人から「ごっついおもろい小説になると思いまんねん」といった手紙をもらい、不安になる。

ちょっと笑った。

VS人間的

お見合いなんてシステム自体が非人間的なのよ 人間に値段を付けてペットみたいに支配させてさ 屈辱的よ 何となく思い出す。あ、よしながふみ『愛すべき娘たち』より。離婚した姉が、美人で性格もよく仕事もバリバリこなす(そして現在恋人のいない)妹に向か…

『細雪』(下)

ふう。ようやく蒔岡姉妹の物語に幕が下りたという次第であります。噂通り、ほんと、不思議な幕引きだったなあ。三女雪子の「腹下し」でこの絢爛たる大長編は終わるのだもの。谷崎は、『細雪』を「おおむね予定通りに進ませることができた」と語っているけれ…

怒れる女

「この世の仕組みに適応したから偉いとでも思ってるの? それじゃああまりにも陳腐じゃない? わたしはあの頃腹を立ててた諸々のことに、いまだに怒ってるわよ。腐ってるって言うならあの頃から腐ってた。今ほど嫌いな人間は多くなかったし、将来への夢もあ…

『めぞん一刻』ドラマ化

そもそも「小学館がなぜこの時期にビッグコミックインパクトというA5版の雑誌で『めぞん一刻』を取り上げていたのか?」という疑問もあったのですが。同じくビッグコミックインパクトでの『タッチ』が映画になったりして、では、今回はこちらが――という筋書…

陸田真志被告(35)死刑確定

なつかしい名だ。池田晶子とは、まだ接触を続けていたらしい。 「死刑という極限状態に置かれて彼の思考は追い込まれ、ついに生死を超越した。もう生への執着はなく、死刑確定も平常心で受け止めるだろう。まだ書きたいことがあるようだがうまく書けなくて、…

数値化

筒井康隆の短編に、痛みを数値化する機械(だったかな?)というのがあるのだけれど、それと同じように、疲れを数値化できる機械があったらな、という気がときどきしないでもないです。それさえあれば、「あー、ゴメン、今疲れが295あるから仕事行けないわ」…

キャラの名前の仕組み

「屋号」ってのはおもしろいね。あ、上『のらみみ』1巻における話なのですが。 二つ合わせて正式名称となる 【屋号?】元々は実名だけだったキャラの名前。 あるキャラが「サマになるから」という理由で名乗りはじめたところ、まわりのキャラたちも次々マネ…

『のらみみ』(1)(2)(3)

キャラとキャラクターは明確に峻別すべきだとの伊藤剛氏の説に、再三に渡って「援軍」として取り上げられているこの『のらみみ』ですが、あー、ごめん、とてもそんなメタレベルでの読みを冷静にこなすことなど出来なかったです。今年は、まったく、自分の好…

木下哲子の髪型

『団地ともお』で、今までずっとパーマをかけてたお母さんが、急に髪をストレートにしてしまうという“事件”があったのだけれど(そして以後ずっとそのまま)、あれがこのマンガに与えた影響は測り知れないものがあったと思う。だって、パーマをかけてた頃の…

Banana’s diary(2005.10.03)より

よく、成功の法則を書いてある本にはイメージを具体的にしなさいと書いてあるが、たとえば今の私がプールつきの海辺の豪邸を想像しても、ほんとうにはほしくないから現実化できない。できないと「イメージしてもだめだった」という失敗したイメージが残って…